"空の出前箱"編

"空の出前箱"編

第7話

——何、三週間ほど休んでから働きたいだと? 別にノルマさえ達成してくれりゃ構わねぇよ。久々の自由の身だろうし気持ちも分かる。ましてや十代だしな、ゆっくり羽伸ばしてきな。 放火後アマネは押掛から社宅の鍵を明け渡してもらった時、一つ約束を取り付...
"空の出前箱"編

第6話

五ツ噛アマネは、点呼の声もしないワンルームアパートの一室で一人静かな朝を迎えた。 刑務所時代の規則正しい生活リズムの名残からか、午前7時の時点で既に身支度を整えており、近くのコンビニで買ってきた朝食の惣菜パンを口に運びながら、一緒に購入した...
"空の出前箱"編

第5話

・業務内容:ルート営業・給与:売上の5%・勤務時間/休日休暇:完全自由・待遇:社宅有(ワンルームアパート)「社宅は即日入居可。今なら入社祝金に10万も付けてやる。出所直後で金も無いだろ?」 ざら半紙に印刷された簡素な求人票にアマネが目を通し...
"空の出前箱"編

第4話

あらすじ「押掛徹おしかけとおる」 山なりに整えられた顎髭を拵こしらえ、隆隆とした厚みのある体躯を見るからに高級な黒のダブルスーツに封じ込めている男の名前は、紛うことなき偽名だったが、アマネは深く追及しなかった。 というのも彼こそが『京州飯店...
"空の出前箱"編

第3話

あらすじ 「縛」と「尾」二つの能力を駆使して男を蜂の巣にしたアマネは、仄かな高揚感を覚えながらも地に頽れる。 やがて尾が朽ちて人間らしさを取り戻した時、漸く自分の置かれた状況を理解し始めた。 死臭の漂う一室で苦楽を共にした茅蕗の喪失と、娑婆...
"空の出前箱"編

第2話

あらすじ「塀の中の方が長生きできたね」 動かなくなった茅蕗を前にして、自身も活動限界に迫っている状況にありながら、アマネはつい自嘲めいた皮肉を口にする。 息も絶え絶えなアマネの言葉を遺言と受け取った男は、朱色に染まった出前箱を高く振り上げる...
"空の出前箱"編

第1話

あらすじ 傷害の罪で服役していた17歳の少女五ツ噛いつかみアマネ。 二年間の刑期を終え出所した彼女を待ち受けていたのは、治安が悪化し汚れ切った街『西の経済圏』の新たなる様相だった。 不穏な空気が漂う中、同様の事件で服役していた兄貴分茅蕗改か...