クライムヒーロー

"空の出前箱"編

第10話

「おはよう店長。仕事道具貰ってるし挨拶とか無しでそのまま始めちゃっても良い?」「構わないぜ。但し全件回って金を詰めたら、一旦その場で連絡寄越しな」「了解。それじゃ今日からよろしくね」 そう言ってアマネは通話を切ると、出前箱を持って家を出た。...
"空の出前箱"編

第9話

「そのエピペンの中身、俺が特定しよう。お前さんの言う『尾』も見てみたくなった」 自身の危ういところをアマネの「縛」によって救われ、認めざるを得なくなった岡持はこれまでと一変して協力的になった。 余りの掌返しに流石のアマネも訝しんだが、本人曰...
"空の出前箱"編

第8話

『岡持医院』 押掛に紹介してもらった病院で、飯店が偽造した不正な保険証でも三割負担で診察をしてくれる言わば連中御用達の"闇医者"のいる裏病院。「持病を拗らせておきながら、よく今まで動き回れたな」 ベッドに横たわり点滴を受けているアマネに、3...
"空の出前箱"編

第7話

——何、三週間ほど休んでから働きたいだと? 別にノルマさえ達成してくれりゃ構わねぇよ。久々の自由の身だろうし気持ちも分かる。ましてや十代だしな、ゆっくり羽伸ばしてきな。 放火後アマネは押掛から社宅の鍵と仕事道具である空の出前箱を明け渡しても...
"空の出前箱"編

第6話

五ツ噛アマネは、点呼の声もしないワンルームアパートの一室で一人静かな朝を迎えた。 刑務所時代の規則正しい生活リズムの名残からか、午前7時の時点で既に身支度を整えており、近くのコンビニで買ってきた朝食の惣菜パンを口に運びながら、一緒に購入した...
"空の出前箱"編

第5話

・業務内容:ルート営業・給与:売上の5%・勤務時間/休日休暇:完全自由・待遇:社宅有(ワンルームアパート)「社宅は即日入居可。今なら入社祝金に10万も付けてやる。出所直後で金も無いだろ?」 ざら半紙に印刷された簡素な求人票にアマネが目を通し...
"空の出前箱"編

第4話

あらすじ「押掛徹おしかけとおる」 山なりに整えられた顎髭を拵こしらえ、隆隆とした厚みのある体躯を見るからに高級な黒のダブルスーツに封じ込めている男の名前は、紛うことなき偽名だったが、アマネは深く追及しなかった。 というのも彼こそが『京州飯店...
"空の出前箱"編

第3話

あらすじ 「縛」と「尾」二つの能力を駆使して男を蜂の巣にしたアマネは、仄かな高揚感を覚えながらも地に頽れる。 やがて尾が朽ちて人間らしさを取り戻した時、漸く自分の置かれた状況を理解し始めた。 死臭の漂う一室で苦楽を共にした茅蕗の喪失と、娑婆...
"空の出前箱"編

第2話

あらすじ「塀の中の方が長生きできたね」 動かなくなった茅蕗を前にして、自身も活動限界に迫っている状況にありながら、アマネはつい自嘲めいた皮肉を口にする。 息も絶え絶えなアマネの言葉を遺言と受け取った男は、朱色に染まった出前箱を高く振り上げる...
"空の出前箱"編

第1話

あらすじ 傷害の罪で服役していた17歳の少女五ツ噛いつかみアマネ。 二年間の刑期を終え出所した彼女を待ち受けていたのは、治安が悪化し汚れ切った街『西の経済圏』の新たなる様相だった。 不穏な空気が漂う中、同様の事件で服役していた兄貴分茅蕗改か...