「女王様の電話番」という小説を読んだ。
手に取ったキッカケは休日の土曜日に放送していた『王様のブランチ』より。
番組のブックコーナーで長めに紹介されており「これは面白そう」と素直に興味を持った。
コーナーが終わり次第、できればすぐにでも身支度を済ませて近くの本屋へ駆け込みたいところだったが、生憎その頃の俺はメキシコの麻薬戦争と世界を股にかけた臓器ビジネスの渦中に巻き込まれていたり、芳ヶ江国際ピアノコンクールに足を運んでいたり、優莉匡太はどのようにして史上最悪のテロリストとして君臨していったのか足跡を辿る必要があった為、実際に手に取る迄に二つ程季節が過ぎてしまった。
犯罪小説と青春小説を代わりばんこに読んでその温度差に風邪を引くのがここ数年の読書スタイルなのだが、その道中で綺麗な言葉や汚い言葉。今後使う機会もないような隠語まで様々な文章表現を見てきたつもり……だった。
やっとの思いでこの書籍を手に取って軽く1ページ捲ってみた時に俺は己の不勉強さを恥じた。
この世界はスーパーセックスワールドだ。
引用元:女王様の電話番
概要
この物語は、風俗店の電話受付バイトをしている27歳の女性「志川」が、ある日突然失踪した嬢「美織女王様」を探すミステリー要素とセクシャリティに纏わる葛藤や自己探究をテーマにした小説……と俺は解釈している。
本の帯コメントやレビューを見ると後者の性に纏わる部分が取り上げられており、著者の渡辺氏も「人によって性への感覚がちょっとずつ違うということを書きたかった」と述べているので、主題は後者だと思われるが、ぶっちゃけ俺が「面白そう」と興味を持ったのは前者の美織女王様を探すミステリー要素である。
だから、もしこの記事を読んでくれているあなたが、俺に本の感想として性に関する感想とかを求めているなら期待しない方がいい。
俺は今から本書の中に出てきた「セックス」という単語を数えながら全く別の切り口で感想を書く。
慣れてしまうくらい多い
200ページを超えたくらいからだろうか。
——この本「セックス」って単語多くね?
って気づいたことから久々ブログ書きたい欲が出た。
多分今まで出版されてきた本の中で一番「セックス」って単語を使ってる本じゃないですかね。
俺は読書を趣味と呼べるほど本読めてはいないけど、一般層の中では平均以上の読書量だと自負している。
そんな俺が今までの人生で読んできた本の中で「女王様の電話番」がぶっちぎりで多い。
なんというか、中学生時代学校の読書時間に「サクリファイス」っていう小説を読んでいて"——セックスをした"というたった一文が出た瞬間に本をバッと閉じて後ろの席の人に見られないように隠してその後読み進められなくなってしまったウブなエピソードを持ってるんだけど、その時の自分だったら、一生読み進められないってくらい多い。
でも、その割に実際の本番行為やリアルな性描写は一切作中で出てこないのがこの本の不思議なポイントでもある。
ちなみに今の俺はというとこの本を会社の昼休みに読んでいました。(ブックカバーはしてたけどね)
"大丈夫"
「女王様の電話番」である種重要なキーワードだと思う。
大丈夫?
私は大丈夫なのか?
私は一体なにが大丈夫なのか、正直よくわからなかったのだけれど
(中略)
大丈夫?
なにが大丈夫なのか。なんのための質問なのか。やっぱりわからなかった。
引用元:女王様の電話番
序盤ですがこのシーンは結構刺さりました。
志川の独特な(という書き方が適切なのか自信ありませんが)感性が出た個人的に好きなシーンの一つで、物語に引き込まれましたね。
面白いところもあるけど、その行動に100%共感はできない
これは主人公の志川のことを言っていますが、何というか美織女王様を探す為に、ガツガツ行く行動力にちょっと引いてしまったところはある。
いや、ストーリーとしては面白いんだけどね。
「俺ならここまでは出来ねぇなー」というのを志川は軽々と行く。
作中の色々な場面でこう、俺なら躊躇してしまう行動がたくさんあったんだが、恐らく志川はセックス(特に好きな人との)には最大級の抵抗があったけど、それ以外の行動は割とフランクだった気がする。
面白いところというのは、彼女の心の声である。
さっきの"大丈夫"の部分で引用させてもらったところも彼女の心の声なのだが、他にも作中で随所に出てくる、特に毒付いた感じの心の声は総じてニヤッとした。
特にウケた部分を紹介したいところだが、記事内で引用過多となってしまうので控えておく。
……で何回出たのか?
てな訳で、セックスを数えながら実質二周目の読書体験を通して簡単にレビューしてみました。
それでは総括としてみんな気になるセックス登場回数の発表ですが……
当初の予定では作中で出てきた数と同じ数だけセックスという単語を記事内に散らして「数えてみてください!(ドン!)」で締めようと思ってたけど、自分の想定を超えるくらい使われており、とても1記事では使い切れる量じゃなかったので普通に発表します。
(実際にお手に取って確かめてみてくださいね的なやつも、最近は流行らないだろうしやりません)
てことではいドン↓
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作中で「セックス」と出た回数:147回
おまけ:2ページの間に「ウンコ」と出た回数:9回
さて、最後にちょっと真剣な話をしますと、今回自分のブログで「セックス」とド直球なキーワードを使ったのは初めての試みです。
基本的に当サイトは全年齢向けサイトで下ネタ的発言は、Googleやレンタルサーバーからお咎めが来る可能性も踏まえて使わないにしてきたのですが、ここで伏せ字にしてしまうと、性に対する真剣な小説に対しての一種の失礼に当たるのではないかと思い、敢えてそのまま使いました。
若干ネタを意識した記事テーマにしたのは否定しませんが、読書の感想としては真面目に書いており、例えネタがキッカケでも、書籍を手に取り著者の伝えたいメッセージを少しでも届けられる一助になれればと思っています。
前回の読書レビューではAmazonリンクを貼りましたが、今回は一人でも多くの方が本屋さんという公衆の場で「スーパーセックスワールド」というパワーワードの一撃に面喰らって欲しいのでリンクも貼りません。
それでは私は広島の呉原東署捜査二課で男たちの闘いに身を投じることになったのでこの辺で失礼します。