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【和食作法】日本料理のコースの順番と内容を詳しく紹介。懐石と会席の違いとは? - 俺の下積みを越えてゆけ。

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【和食作法】日本料理のコースの順番と内容を詳しく紹介。懐石と会席の違いとは?

2019年11月19日

和食の店を使おうとしているあなたへ

こんにちは雨宮です。

今回は大切な日に和食の店を使う方の為に本番・お店選びで役立つ和食のコース(献立)の順番と内容について詳しく紹介します。

この記事を読んでほしい方

高級な日本料理のお店に行くことになったけど内容が全然わからない。お堅い雰囲気で緊張する。
懐石(かいせき)と会席の違いがわからない、お店選びはどちらが良いのか比較したい。

この記事の信頼性

・筆者の雨宮ツカサ は調理師免許を取得しています。



和食のコース(献立)は2種類ある! 会席と懐石

料亭

和食のコースは2種類あります。それぞれ料理の出る順番・量も全く違うのでお店選びの際は気を付けましょう!

「会席料理」「懐石料理」に分かれており、

  • 「会席料理」はお酒を楽しむコース
  • 「懐石料理」はお茶を楽しむコース

です。

会席料理 懐石料理
先付け(お通し・突出し) 折敷(飯・汁・向付)
お凌ぎ または 前菜 椀盛(煮物)
椀物(吸い物) 焼き物
向付(お刺身) 強肴
煮物 吸い物
焼き物 八寸
強肴 湯桶・香の物
ご飯・香の物(漬物)・留め椀(汁物) 主菓子・濃茶
水菓子・甘味

料理のボリュームは会席料理のほうが多いです。

次の項ではそれぞれの意味を詳しく紹介します!

会席料理

先付け(さきづけ)

最初に頂く料理です。

お通し・突出しにあたります。

季節の旬を用いたりしてお店によって創意工夫が凝らされた品が提供されます。

お凌ぎ(おしのぎ)

「空腹を凌ぐ(しのぐ)」という意味です。

空腹の状態でお酒を飲むと酔いが早く回ってしまうため、それを防ぐ為に先付けの後にお腹をちょっと満たしてくれる炭水化物をメインにした料理が少量提供されます。

具体的には

  • 1,2貫ほどの寿司
  • 一口サイズの赤飯
  • 小ぶりの蕎麦・うどん

などです。

椀物(わんもの)

吸い物が提供されます。

ここでは「箸洗い」・「口すすぎ」という意味があり次の料理に向けて口の中をリセットするのが目的です。

しかし、料理人側にはもう一つ重大な意味があります。

それはその店の出汁の具合や味付けの基本をお客様に伝えることです。

吸い物はシンプルだからこそ出汁や味付けの具合が顕著に出る料理です。

この椀物でお客様にこれから続く料理への期待を膨らませます。

向付(むこうづけ)

元々は「懐石」で使われる用語ですが、今は主に「刺身」を出すときに使われます。

旬の魚をお造り(刺身)にします。

ただ切り身にするのではなく、

  • 隠し包丁を入れて醤油をのりやすくする
  • 昆布締めにして魚の旨味を引き出す

と手間を掛けたものが多いです。

お店の趣向によっては稀に酢の物や和え物が提供されることもあります。

煮物

旬の野菜を使った煮物が「炊き合わせ」という料理で提供されます。

炊き合わせの大きな特徴は各食材の持ち味を最大限に引き出すため、煮る工程で別々に煮ているところです。

煮る時間は食材によって適した時間があります。

一般の家庭では一つの鍋で一度に調理するのが普通ですが、プロの世界では手間を掛けて時には鍋を変えて食材に合わせて調理をします。

別々で調理した食材を一つの器に盛りつけて構成したものが「炊き合わせ」です。

椀物でお店の出汁や味付けを知り、炊き合わせで本領が発揮されます。

焼き物

焼き物は主に旬の魚を使用した焼き魚が多いです。

お店の趣向によっては肉の場合もあります。

焼き物では豪快で華やかな盛り付けを楽しむ場であり、

もみじや松などがあしらわれており目でも楽しむことができます。

強肴(しいざかな)

「強肴」はもともと懐石で使われる用語ですが、会席料理でも使われるようになっています。

「強いてもう一品すすめる肴」という意味が込められております。

提供される料理は主に揚げ物や和え物が多いです。

また、「煮物」が献立に入っていない場合は強肴で「炊き合わせ」が提供されることもあります。

※お店によっては「預け鉢」・「進め鉢」と称されます。

ご飯・香の物(こうのもの)・留め椀(とめわん)

締めの料理になります。

ご飯は炊きこみご飯や小さな丼などお店の趣向が楽しめます。

香の物は漬物。留め椀は赤出汁や味噌汁。の意味を持ちそれぞれ提供されます。

水菓子・甘味

口の中をサッパリさせる。という意味で果物・アイスクリーム・シャーベットなどが提供されます。

  • 水菓子は果物
  • 甘味はアイス・シャーベット

と意味が別になっています。

以上が「会席料理」の順番と内容です。

懐石料理

折敷(おしき)

折敷は「脚のない膳」という意味でお盆を意味します。

この折敷にご飯・汁物・向付(刺身・酢の物)・箸を置きお客様へ提供されます。

またこのタイミングでお酒が出されます。

お酒は懐石の中で三回提供されます。

椀盛(わんもり)

椀盛では煮物が提供されます。

野菜・肉・魚・麩・しんじょ(海老・蟹・白身魚をすり潰したものに山芋・卵白・出汁で味を付けて茹でたり蒸したりして調理されるふわふわの触感を楽しむ料理)

などを彩りよく盛り付け汁を張った料理が提供されます。

主にすまし汁仕立てにすることが多いです。

焼き物

主に焼き魚が提供されますが会席料理との大きな違いは、

一つの大皿に人数分が盛られており、食べる分を取り箸で取り分ける方式になります。

ここで二回目のお酒が提供されます。

強肴(しいざかな)

強肴は「強いてもう一品すすめる肴」という意味があります。

主に炊き合わせや酢の物が提供されます。

こちらも焼き物と同様に大きめの器に盛られたものを取り箸で取り分ける方式です。

吸い物

ここまでが一通りの食事になり、吸い物で口の中や箸を清めるという意味があります。

また、「箸洗い」「すすぎ汁」と称されることもあります。

八寸(はっすん)

八寸は酒を交わす為の肴(献酬)という意味をもちます。

ここでは「山の幸で造られた肴」・「海の幸で造られた肴」の二種類の肴が盆に置かれて提供されるのが特徴です。

湯桶・香の物(ゆとう・こうのもの)

湯桶は懐石の締めくくりを意味します。

炒った米や湯の子(おこげ)に湯を注ぎ塩を加えたお湯と、3~5種類の漬物(香の物)が提供されます。

主菓子・濃茶(おもかし・こいちゃ)

最後に菓子とお茶が提供されます。

主菓子は茶道でお馴染みの和菓子が、濃茶はたくさんの抹茶を使ったドロリとしたイメージのお茶です。

最後に

板前

最近では「会席」と「懐石」の意味が混同されて使われており、会席の献立のことを懐石料理と呼ばれてしまうことが多々あります...

「会席料理」はお酒を楽しむコース

「懐石料理」はお茶を楽しむコース

両者とも料理の内容も意味合いも全く違ってくるのでこの記事で知って頂き

お店選びで失敗しないようにしてもらえたら幸いです。

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